ヒアルロン酸注射によるこめかみのふっくら効果
こめかみの役割と重要性
こめかみは正面から見た頭の大きさに大きく影響します。
頭は大きくて丸みがあると若々しい印象を与えます。
赤ちゃんの頭は大きくて丸いですよね。
頭蓋骨のこめかみの部分は加齢とともに委縮し、凹みが強くなります。
その結果、こめかみの凹みがあると年齢を感じさせます。
また、こめかみのボリュームが減ると、上まぶたのほうに皮膚が下がってきます。
こめかみの凹みは上まぶたの弛みにもつながっています。
ヒアルロン酸の効果とは
ヒアルロン酸は純粋にボリュームを補います。
加齢とともに無くなったボリューム、骨格的にもともと無いボリュームを単純に補う効果が中心です。
ただ、それだけではなく、上で述べたのと逆に、こめかみのボリュームが増えると、上まぶたが引っ張られ、上まぶたの弛みが改善する効果があります。
施術前のカウンセリングでの注意点
カウンセリングでは、「どの製剤を」「どれくらいの量」注入するかを決めます。
こめかみに注入する方法は大きく二つあると考えています。
「ガンショット法」と「レイヤー4」です。
ガンショット法は硬めの製剤をニードルを使って骨膜上、深い部分に注入する方法です。
厚いお布団の下にボールを置くようなイメージで、膨らみはあまり強くでませんが、なめらかで自然な仕上がりです。
また、骨格を補強する効果が高く、たるみの改善効果は高いです。
レイヤー4は表皮からの4番目の層です。
ここにはやわらかい製剤を広く満遍なく注入します。
膨らみを出しやすい方法です。
ヒアルロン酸注射の流れと施術方法
基本的な注射の流れ
私は、「ガンショット法」と「レイヤー4」をどちらも行うときは、ガンショット法から行っています。
ガンショット法まず骨格を補い、それで不十分な部分にレイヤー4の方法で注入します。
ガンショット法はニードルを使います。
基本的には27ゲージで、注入する部分によって、長さを変えます。
特に下部は骨が深いからです。
レイヤー4はカニューレを使います。
ここには血管が少なく安全性は高いと考えられますが、それでも念のため塞栓リスクの少ない太めのカニューレを選択します。
注入する範囲によりますが、21ゲージを使うことが多いです。
使用するヒアルロン酸の種類と特性
ガンショット法で注入する場合に用いるのは、ボリューマ、ボラックス、RHA4などの硬い製剤です。
しっかり高さを出すことを目的としています。
レイヤー4で用いるのは、ボルベラ、RHA1などの柔らかい製剤です。
できるだけボコボコしない仕上がりにするためです。
施術時間と施術後のケア
ガンショット法は1分もあれば終了します。
ただ、逆血を確認する時間が必要なので、針を刺されている時間は長く感じるかもしれません。
レイヤー4は、3分から5分かかります。
刺入点は1か所ですが、そこからカニューレを進めて、複数の必要な部分に注入するからです。
施術後は、止血が終われば普段通り生活していただいて大丈夫です。
ただ、横向きで寝てしまうと、ヒアルロン酸の形が崩れてしまうかもしれません。
そうしたら、もう一度来院していただき、形を整えます。
ヒアルロン酸注射の料金と施術の選択肢
何ccや何本の注入が適切か
本数は目安としては、硬めのボリューマ、ボラックス、RHA4のうち1本と、柔らかめのボルベラ、RHA1のうち2本から3本だと思います。
選択肢は多いので、カウンセリングに来ていただくとスムーズです。
施術費用に含まれる内容とは
施術費用はヒアルロン製剤の費用だけです。
これにカウンセリング、針、消毒、デザイン、施設使用料すべて含まれています。
麻酔代だけは別で、笑気麻酔などを別途付ける場合、追加費用が発生します。
ヒアルロン酸注射のメリットとデメリット
ふっくらした印象を与えるメリット
まあるい頭は無敵です。
知っておくべきデメリットとリスク
ヒアルロン酸の大きなリスクは「アレルギー」「感染」「血流障害」の3つです。
それはこめかみであっても変わりません。
アレルギーになった場合、まず抗アレルギー薬を内服して様子をみます。
改善しなければ、ヒアルロニダーゼで溶かします。
感染したら抗生物質で対応し、治らなければ溶かします。
血流障害を疑ったら、大至急溶かします。
失敗や副作用の具体例
レイヤー4に注入するときに浅く入りすぎるとボコボコします。
とにかくマッサージして、なじませるか、それでも駄目なら溶かすしかありません。
また、大きく内出血してしまうことがあります。
大きなアザが2週間程度できてしまいます。
ヒアルロン酸注射のアフターケア
施術後の生活で注意すべきこと
稀に頭痛がする方がいらっしゃいます。
数日で改善するので、痛み止めを飲んで様子をみてください。
それ以外は特にありません。
あまり気にしすぎないようにしましょう。
内出血や腫れの軽減法
施術前に冷やすことと、注入中に力を入れないようにすると良いです。
治療後のフォローアップ
ニードルが刺さるとき、刺入点を作るときにチクッとします。
注入中は、ヒアルロン酸の中に局所麻酔薬が入っているので、痛みは強くありません。
なんか入ってくる、感じがします。
麻酔の種類と効果
当院で扱っている麻酔は、笑気麻酔、麻酔クリーム、麻酔テープです。
笑気麻酔はお酒に酔ったようなふわっとする感じがして、施術が怖くなくなるようなものです
痛みが無くなるわけではありません。
麻酔クリームと麻酔テープは表面麻酔で、表面の感覚が鈍くなることで、痛みを和らげます。基本的には、麻酔テープは目元や口元などの粘膜の近くに、麻酔クリームはそれ以外に使います。
痛みを軽減するための工夫
冷やすことでも痛みは和らぎます。
施術直前にお冷やしでしっかり冷やして注入しましょう。
久野賀子