ヒアルロン酸について

ヒアルロン酸の種類

ヒアルロン酸には様々な種類があり、様々な分類方法があります。今回は硬さによる分類を説明します。
当院で最も人気があるヒアルロン酸の種類はアラガンという会社が作ったジュビダームのバイクロスのシリーズです。
硬い順にボラックス、ボリューマ、ボリフト、ボルベラ、ボライトがあります。
ボラックスは最も硬く、鼻や顎、法令線の基部などに使います。持ちも長く、お客様のお話から考えると2年近く持っています。
ボリューマは最も使いやすい硬さです。法令線基部などの立ち上がりが必要な部分に注入してもしっかりボリューム感がでますが、皮下に入れてもぼこぼこしにくいので、法令線や頬、こめかみなど、色々な適応があります。
ボリフトは脂肪層にちょうど良い硬さだと思います。皮膚が薄い方の頬や法令線、マリオネットラインなどに使います。
ボルベラは涙袋や唇に使います。とても柔らかいです。
ボライトはさらさらしていて、肌質の改善(保湿力の向上)に使います。

ごく稀ですが、ジュビダームのシリーズが合わない方がいらっしゃいます。
そのような方にはRHAのシリーズがおすすめです。
また、鼻根に高さを出したい場合、ボラックスでは流れてしまうことがあるので、更に硬いピネハもあります。

久野賀子

ヒアルロン酸について

ヒアルロン酸の効果

ヒアルロン酸の効果は大きく二つに分けられます。
一つ目はボリュームを出す効果です。
顎に注入すると顎先を出す効果や輪郭を作り出す効果があり、法令線やマリオネットラインに注入すると段差を埋めてしわを改善する効果があり、涙袋や唇、額や鼻に注入すると、理想の形を作る効果があり、頬の上部や外側に注入するとリフトアップする効果があります。
もう一つの効果は保湿効果です。唇にヒアルロン酸を注入した後、形の変化だけでなく、肌質も良くなったことがあるかもしれません。
この保湿効果を最も出しやすいがボライトです、皮膚に浅く注入することで、ヒアルロン酸の持つ保湿効果を発揮します。
ハリが出て、プルっとした赤ちゃん肌に近づけます。

法令線のヒアルロン酸

法令線を改善するには、①たるみと②凹みのどちらにアプローチするかを考えます。

たるみを改善するには、手術や糸リフト、ダウンタイムの短いものではHIFUなどがあります。
ヒアルロン酸でたるみを改善するのは少し難しいですが、頬骨の端の方や、頬の外側に注入すると少し改善します。

凹みを改善するには、脂肪注入、再生医療、ヒアルロン酸を使います。
脂肪注入は脂肪吸引をして注入する方法です。当院では行っていません。
再生医療も現在当院では行っていません。FGFなどの膨らむ成分を使ってボリュームを出します。
ヒアルロン酸注入は、その名の通りヒアルロン酸を凹みに注入してしわを埋めます。
直後に変化がわかるので、微調整しながら、膨らみすぎや左右差を防いで細かくデザインすることができます。
注入層によって使用するヒアルロン酸の硬さが違います。
基部にはボラックスやボリューマなどの硬めのものが向いていて、下の方にはボリフトなどの柔らかめのものを使用します。

このように、法令線の治療は分類して考えると納得しやすいです。

涙袋のヒアルロン酸

涙袋にはボルベラなどの柔らかい製剤を使います。
目頭側にしっかり入れると涙袋の存在感が増し、目頭にあまり入れないとナチュラルな仕上がりになります。
目尻を下げたデザインにするとたれ目っぽく、真ん中に多めに入れると丸い目の印象になります。
自然な仕上がりをご希望の方は0.3㏄くらい、しっかり入れたい場合には0.5㏄くらいが目安です。

ヒアルロン酸について

ヒアルロン酸の副作用

ヒアルロン酸の重大な副作用は大きくアレルギー、感染、血流障害の三つがあります。
アレルギーはすぐに症状がでるものと、時間をかけて症状がでるものがあります。
すぐにわかるものは腫れたり、かゆくなったりします。
時間をかけて症状がでるものは、しこりになったり、赤くなったりします。
抗アレルギー薬や溶かすことで治療します。

感染は、痛みと腫れが主な症状です。抗生物質で治療し、治らなければ溶かします。

血流障害は強い痛みと皮膚の変色が起こることが多いですが、よくわからない症状がでることもあります。
「変だな」と感じるケースが、よく調べたら血流障害かもしれないとなることがあります。
血流障害を疑ったら、とにかく溶かします。

久野賀子