ヒアルロン酸による顎のシャープな形成とは
施術の目的と期待される効果
顎にヒアルロン酸と注入するときには、下顎骨の状態を把握します。
下顎骨は耳の前の部分から、顎先まであり、下顎角(エラの張り出し)の突起があります。
下顎骨は加齢とともに委縮していきます。
このように、下顎骨は思ったより大きく、どこにどのように注入するか、デザインの技術が問われます。
ヒアルロン酸の種類と特徴
顎の深い層(骨膜状)まで注入する場合には、硬さのあるものが向いています。
ピネハやボラックスです。
浅い層(皮下)にはなじみの良いボラックスやボリューマが合います。
私自身は、皮膚の厚みのある方にはボラックスを、皮膚が薄い方にはボリューマをお勧めすることが多いです。
耳の前まで入れると、頬コケを改善し、外側にリフトアップする効果が得られます。ボラックスやボリューマを使います。
下顎角も外側にリフトアップする効果があります。マリオネットラインが改善する方向に引き上げます。
施術前のカウンセリングが重要な理由
医師とのコミュニケーション
ここまでお伝えした通り、「顎」と一言にいっても、範囲は広く、デザインは無限大です。
下顎のどこにどれくらい必要なのか、医師とのカウンセリングが重要です。
お客様の気になっている部分をお伝えいただき、医師の客観的な美的アドバイスを踏まえて決められると良いです。
自分の理想とする顔のライン
顎先に集中的にヒアルロン酸を足すと、顎先が尖ったキラキラした印象になります。
下顎骨全体が小さい骨格の方が、顎先だけにヒアルロン酸を足しすぎると、バランスの崩れた不自然な形になってしまいます。
顎先の理想のラインは斜めの角度から決めるとわかりやすいです。
その顎先のラインに合わせて、下顎全体を不自然にならないように形作ってあげられる良いな、と私は思います。
もし、予算に限りがあって下顎全体を注入するほどの量のヒアルロン酸を購入するのが難しい場合には、理想の50%、30%の仕上がりを打診してみると良いですよ。
施術に関する注意点とリスク
顎のヒアルロン酸注入の時に最も気を付けるべき動脈は、オトガイ動脈です。
ニードルを使う時には、しっかり逆血を確認します。
ゆっくり注入することもコツの一つです。
カニューレを使うと安全性は高いですが、それでも注意は必要です。
細かい血管はたくさんあります。
自信を持ちすぎずに、常に集中して行いましょう。
ヒアルロン酸注入施術の流れ
来院から施術までのタイムライン
当院では、来院したら、自動チェックイン機でチェックインをします。
公式ラインから表示できる診察券をチェックイン機にかざしてください。
チェックインしたら、番号札を取って待合いにかけておまちください。
私たちの方で書類の確認ができたら、受付カウンセラーが番号をお呼びし、お部屋にご案内します。
医師とカウンセリングして注入部位と製剤、量を決めます。
決まったら、同意書の確認をしてお会計を行います。
術前の写真を取ったら、注入の開始です。
施術自体は5分ほどで終了します。
止血を確認して終了です。
パウダールームは自由に使えますよ。
麻酔の方法と施術時間
顎のヒアルロン酸で追加の麻酔をつける方は、だいたい30%くらいです。
過半数の方は追加の麻酔をつけません。
ヒアルロン酸製剤の中に痛みを和らげたり、血管を収縮させて出血を減らす局所麻酔薬が入っており、麻酔がなくても耐えられることが多いからです。
もし痛みが不安な方は、笑気麻酔をつけると良いです。
注入中に、麻酔を追加することも可能ですので、困ったら教えてください。
注入の具体的な手順
複数の部分に注入するとき、決まった注入の順はありません。
バランスを見ながら、お買いいただいたヒアルロン酸の量で最大の効果が出せるように分配しながら追加していきます。
施術後のアフターケアと経過
腫れや内出血の対策
注入直前にしっかり冷やすと、血管が収縮したり、痛みが薄れたりするので、腫れや内出血を軽減することができます。
また、注入時には力を抜くことも大切です。
ただ、出血したり、腫れてしまっても、長めに押さえて止血すると、抑えられます。
ただ、腫れや内出血は必ず治ります。ご安心ください。
引かない腫れ、内出血はない!
効果の持続期間と確認ポイント
効果の持続はヒアルロン酸の種類によって異なります。
ピネハは3年くらい、ボラックスは1年半くらい、ボリューマは1年くらいが目安です。
持続時間を長くするには、顎のボトックスを併用するか、ぎゅうぎゅうと押さないように気を付けると良いです。
術後の生活について
顎のヒアルロン酸は、施術後2,3日をピークに痛みがでます。
オトガイ筋が引っ張られて、筋肉痛のような痛みが出るからです。
痛みが強い方は、市販の痛み止めを飲んで乗り切ってください。
痛み以外は、あまり心配しなくて大丈夫だと思います。
もし万が一、注入部位が変色したり、腫れてきたり、赤くなったりした場合には、重大な副作用の可能性が否定できないため、施術したクリニックに問い合わせてください。
顎ヒアルロン酸施術の料金体系
何ccの注入が理想なのか
私自身は、少ないときは1本から、多い時には6本まで注入したことがあります。
1本の場合には、たいてい顎先だけです。
6本の時は、耳の前の下顎骨から、顎先、唇の下の凹みまで全体に注入しました。
必要量は骨格や希望のデザインによって異なります。
直接カウンセリングにお越しいただき、希望のデザインを教えてください。
治療にかかる費用とその内訳
当院では、治療にかかる費用は基本的にヒアルロン酸製剤の料金のみです。
もし、追加で麻酔を使用する場合には、別途麻酔代がかかります。
ヒアルロン酸製剤の価格は、料金のページをご覧ください。
たとえば、ボリューマ1本とボラックス5本を使う場合は、46万円かかります。
保険適用外の料金の注意点
自由診療は保険診療と異なり、点数制ではないため、費用の計算がシンプルです。
カウンセリング費用がかからないため、製品の費用と、麻酔の費用がかかるのみです。
久野賀子