わたしが生まれ育った佐賀県には、たくさんの蛍がいました。6月になると、毎晩のように夕食のあと散歩に出かけ、川沿いを歩きながら蛍を探したものです。蛍がたくさん飛び交う夜、川はまるで夜空のように輝き、光る「星」が動いているように見えました。
そんな蛍の風景を、東京で生まれ育ったわたしの子どもたちにはなかなか見せることができません。けれど昨年、文京区のホテル椿山荘で蛍を飼育・公開していることを知り、子どもたちを連れて見に行ってみました。
佐賀の川ほどではありませんが、庭園の中を蛍が飛び回り、光をまとってふわりふわりと動く姿に、子どもたちも見入っていました。今年も日曜日の仕事帰りにホテルで夕食を楽しんだあと、蛍鑑賞をしてきました。
帰り道、娘と息子は「楽しかったー」といつものように嬉しそうに話してくれて、わたしも心があたたかくなりました。
久野賀子